今にちにおける同人誌や即売会を取り巻く環境は大きく変化しています。
同人の表現の遊び場としては巨大化し、国内外から注目を集める市場へと成長しています。
同人誌即売会は、公的な会場を使用し、一度に数万人という人を集める特性や、個人間のやり取りで趣味作品の発表の場という枠組みに留まらず、 法令を遵守し、参加者や主催者による自主的な表現の規制や頒布方法の制限を行う強い自浄機能が求められています。
その中心にいる我々は、外部に対し、社会と共存していく事を明確に意思表示できる体制を取らなくてはいけません。
よって、作者・頒布者、そして主催者による自主規制が存在し、適正で安全な頒布方法の措置を取ることが、いま最も必要とされているという事実を、一人でも多くのサークル参加者、一般参加者にご理解を頂きますようお願い申し上げます。
成人向け発行時の留意点について(2015年3月24日)
●わいせつ図画(露骨な性器描写)について
昨年(2014年)の5月より成人向表現におけるご案内を改定し、見本巡回時も同様に皆様にご案内してまいりましたが、露骨な性器描写の修正目安について、この1年を経て広く浸透している状況が確認できております。
まずは皆さんの情報共有と協力に感謝いたします。
目安となる商業流通作品も昨年から大きな変動なく推移していることから、
赤ブーブー通信社も引き続きこの1 年と同様の内容にて参加案内等でお知らせをしてまいります。
上記のとおり昨年からの修正目安については1年を経て概ね浸透していますので、
2015年5月以降発行の同人誌で 《明らかに「昨年より案内している目安」から逸脱した「露骨な性器描写」》については、場合により修正等の指示をさせていただきます。その際はスタッフの指示に従ってご協力をお願いいたします。
目安についてはできるだけわかりやすく参加案内に記載してきておりますが、
《抽象的で修正がまず必要のない「ことば表現」》〜《リアル度合が非常に高い「写真(実写動画)》まで、
修正程度には描写の具体性によってグラデーションがあり、かつ社会情勢により簡単に変動します。
参加サークルの皆さんにおきましては、参加案内に同封の「成人向け作品頒布の案内」を必ず一読し、
まずは【表現手法・対象読者など、ご自身のスタンスに近い商業誌】を参考に、修正目安について自分なりの考えを持つようにしてください。
わからない部分、知りたいことがありましたら本ページ最下段に設置の専用フォームからお気軽にお問い合わせください。
●R18について
(1)R18とわいせつ
R18内容と修正問題を同一視しがちな状況がございます。露骨な性器描写は刑法で禁じられておりますが、決してR18作品の頒布が禁止されているものではなく、18歳未満の参加者に直接閲覧・頒布してはいけないルールが決められているものです。かならず分けて考えてください。
(2)どこまでがサークルの頒布責任?
R18を判断するのは、原則発行主であるサークルさんですが、閲覧等の制限は頒布者の責任となります。
サークルスペースでの頒布は当然サークル代表者が責任をもって頒布する必要がありますが、
一旦サークルさんから離れたR18同人誌については、その同人誌の所有者(書店の場合は書店側)が管理責任者として18歳未満に閲覧させないように努力することになります。
(常に発行主の責任が問われる「わいせつ図画」とはこの点で大きくことなります)
サークルの皆さんにまもっていただきたい事は「その作品がR18に該当するかの判断」と「サークルスペースからの頒布時において18歳未満に閲覧・頒布しないよう配慮すること」となります。
また表紙へのR18記載の明記をお願いいたします。
(3)本当にR18作品ですか?
昨今、過剰な同人誌のR18化が散見されます。原則、発行主であるサークルさんの意思を尊重するものですが、本来18歳未満の参加者も閲覧できる同人誌が制限されている状況は好ましいものではありません。
本当に【性行為や暴力などの激しい直接描写】を含んでいるのかよく吟味してください。
少なくとも、さらりとした簡易描写や抽象表現 においてはよっぽど18歳未満に悪影響をあたえる作品でないかぎり、R18とする条例上の必然はありません。(東京都はページ数ではなく、全体としての判断|包括指定の大阪府などは全体ページの1割以上の描写でR18となります)
自由で豊かな表現が産み出す、同人誌の世界のために。
(2015年3月24日)
成人向け発行時の留意点について(2014年7月17日)
サークル参加案内に留意事項を記載しております。同人誌の豊かな表現は、皆様一人一人によって支えられています。「また聞き」や「憶測」ではなく、お手元に着きましたら必ずご自身でご熟読ください。
R18、刑法175条には明確な基準はなく、社会情勢の変動や描写の緻密さ、表現形態によって常にその判断目安には大きな幅があります。あらゆる時期・作品に適用しうる自主規制を設ける事は大幅な萎縮と同人文化の消失を招きます。
同人誌の豊かな表現の場の維持と法令遵守はどちらも非常に大切な問題であり、私たちは関係各所との情報交換を行い広く研究し、参加案内等に「赤ブーブー通信社」として現時点における1つの考え方を記載させていただいております。
表現の幅だけ、目安にも幅があります。目安の幅を縮めることは表現の幅を縮めます。サークル参加で不安・不明な部分がありましたら「憶測」や「また聞き」ではなくぜひ弊社までお問い合わせください。
(2014年7月17日)
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